朝8時前に起きて、いろりを囲んで朝ご飯。ウグイスのさえずりが聞こえてとてものんびりした、それでいてさわやかな朝。昨晩も、カエルの合唱が聞こえてとても楽しかった。都会の夜はクルマの音と時計の秒針の音が聞こえるくらいだけれど、田舎の夜って実はなかなかにぎやかだ。
朝からしっかりご飯を食べて、二度寝の串君を置いて散策に。かやぶき屋根のお宅の内側を公開している資料館にお邪魔した。開放的な縁側からの眺めが最高だ。縁側がある家、いいなあ。
階段で二階に上ることもできた。この二階の屋根裏部分には萱をためておくんだって。かやぶきを吹き替えるのは通常5、60年に一度。その間、屋根裏に少しずつ萱を貯めていくそうな。壮大な話だね。外から見るのとはまたまったく違う、屋根裏の風景もまたいい。
蔵も併設されていて、蔵の中のにおいに突然懐かしい気分に包まれた。ぼくの父方の実家もぼくがこどものころはかやぶき屋根だった。蔵もあって、そこはこどものころのぼくと弟にとっては秘密基地みたいだった。大人になってから再びその蔵に入ってみたら、小ささに愕然としたな。
それから囲炉裏を囲んで、お茶をいただきながら資料館の受付の方の話を聞いた。彼女は75歳。50年前の暮らしと今の暮らしの違い、美山の街にいるこどもの数、火がついたらあっという間に燃えてしまう茅葺き屋根の家の火事対策などなど、普段は聞くことのできないお話をいろいろしてもらってこれまた楽しめた。
そのあとしばらく美山の集落を写真を撮りながらぷらぷら歩いて、クルマに乗って帰途へついた。途中たちよった美山の道の駅は大賑わい。ひっきりなしにやってくるクルマやツーリングのバイク、ロードバイクに乗った人たち。うどんや山菜の天ぷらをいただいて、お昼。さらに湯の花温泉でもらい湯をしてから神戸に四時過ぎに到着。
あっというまの二日間だったけど、静かな、記憶の中にあるこどものころの原風景に近い村で週末を過ごせてとても幸せ。5人でわいわいクルマの旅もまたよし。