柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul→Yokohama

遅咲き?Debut!

朝5時に目覚まし時計にたたき起こされた。今日は6時に会社に集合なのだ。眠い目をこすり、タクシーを捕まえて重いお菓子バックを持って会社へ。まだほとんど知り合いが来ていなかったので、とりあえずそこらへんに腰掛けていた。するとぼくをフィリピン人だと思ったらしく、隣に座っていた小柄な青年がタガログ語で話しかけてきた。ぼくの顔はマルチナショナルなのか、韓国に行けば韓国人に、フィリピンに行けばフィリピン人に間違えられることがままあるのだ。彼はそのビルに入るノルウェー大使館に就労ビザをとりに来たんだそうな。OFWといって、海外へ出稼ぎに出るフィリピン人がフィリピン経済を支えていると聞いたことがあったけれど、ノルウェーがフィリピンからの労働者を受け入れているなんて意外だなあ。バスに乗り込むまでの30分、彼の夢だとかぼくの仕事のことだとか結構話し込んだ。いつか日本にも行ってみたいんだと目を輝かせていた。常夏の国から北欧の国へ夢を求めて出て行くんだな。Good luck!と握手をして彼とは別れた。
バスは6時半出発予定だったのだけれども、予想通りというべきか7時10分に出発。そこから高速道路を使って3時間半、目的の海辺のリゾートへ。そこでまずは二時間だけ今期の達成事項なんかを部門トップのPatrickとHRのマネージャが話をしたんだけれど、みんなもう午後のゲームに気が移っているのかちょっとざわざわ。日本であれば(居眠りをする人はいるにしても)しーんとしてそうなもんだけれど。400人のフィリピン人を束ねるってかなり大変だな。
ランチの後はゲーム。皮切りは"Bihisan si Maganda"。Magandaは「美しい」という意味らしく、ようは美人コンテストだ。で、今回われわれのチームの美人代表として見事ぼくが指名されたわけであります。お約束、だよね。お酒でも入ってからやるのかと思いきや、白昼から。"Maganda"以外に5人のメンバーがドレスアップを手伝ってくれる。上半身シャツを脱いで肩を出し、そのシャツで偽乳を作ってドレスアップ。口紅を塗られ、頬紅にアイシャドウ。やってくれている女の子たちはもう大爆笑だけど、鏡もないのでどうなっているか分からない。その分恥ずかしさを感じずにすんだのだけど。で、歩き方とステージの上でのポージングのレクチャー。スカートをちょっとめくるようにして胸に沿って手を上に伸ばせだとか胸を寄せて体をくねらせろだとかなかなか厳しいレッスン。で、15分で支度を終えていざ出発。ほかのチームも男性が一人はいたからかなりのチームが男性を出してくるんだろうなと思ったら、あらびっくり。8チーム中わずか2チームのみが男性で、あとは本物の"maganda"だ。あらら。腹をくくってモデルウォークで入場。投げキスしながら歩いたら、歓声なのか怒声なのか良く分からない盛り上がり。ステージの上でも習ったとおりにアピール。メガネを外していて良く見えないので完全に吹っ切れた演技。
で、結果はというとこれもお約束なのか、見事なみいる本物の美女たちを押しのけてNo.1に輝いた。そのまま3時間その格好で過ごす。ゲームのしめの『とらわれのMagandaを救え!』みたいなボートレースで海上の浮島に8人のMagandaが総集合。ボートをこいでチームメンバーが助けに来てくれて、その速さを競うのだ。だけどこれはぼくの魅力のなさが現れたのか最下位。残念無念だ。この後の夜の部も女装をしてステージで踊らされて今日は本当に女装デー。
後から写真を見せられて、超恥ずかしくなってきた。これが2−3年間は語り継がれるんだなあ・・・とはいえ、こういう場を用意してくれたおかげで、ほとんどの人がぼくのことを覚えてくれたみたい。みんなが通りすがりに名前で呼んでくれるようになった。そういう意味では働きやすくなったしよかったのかな?
あ、そうそう。ふっきれていろいろやったけど、別に癖になるようなゾクゾク感とかはなかった。それが確認できたのはもうひとつの収穫。