懸案だった3週間休みを取りたいという部下の話がようやく一応の終結を見た。というか火曜日に三足飛びにぼくの上司のところに直訴しにいって、泣きながらいかにぼくが理不尽で聞く耳を持たないかを切々と訴えたそうな。ところがどっこいその彼に諭されて急にやる気を取り戻したらしい。休みは取らない、次の昇進を目指してここでやっぱり頑張るとのこと。んー、二週間くらいだったらいいよとは最初から言ってたのだけどそれもいらないらしい。(ぼくだけならともかく)ずいぶん周りに当たり散らし、今すぐにでも辞めてやると息巻いていたのが嘘のように溌剌とした顔で仕事をしている。まずは祝着。しかし上司と話をしてみても話した内容は別に一緒なんだよね。おもしろい。ていうか正直なところ残念ながらぼくの力不足。
ぼくのコミュニケーションは『申し訳ないけれどもそれは難しい、なぜなら〜』というやりかただったのだけどこれがまずかった。『難しい』とぼくが言った時点で頭に血が上ったらしく、その後の合理的かつ情に訴える*1説明はまったく馬耳東風だったようだ。たまたま前任者のNさんと話をしていたら、去年も一ヶ月休みを取りたい!という話になったらしい。その時の彼のコミュニケーションの仕方になるほどと膝を打った。いわく、絶対にこちらから『だめだ』とは言わないそうな。そのかわり『是非休みを取ってくれ。そのかわり一ヶ月まるまるということは君の仕事は全部他に任せなきゃいけない。そうすると帰って来てする仕事は(すぐには)ないし、探さなきゃいけない。新しい仕事となると結果を出すのも難しいだろうし、そうなると査定もどうしても悪くなるけどまあそれも鑑みた上で是非是非取ってくれ。It's your choice:)』ってな感じ。
これだと上司がNoといっているわけではなくって、あくまで自分に決断権があるわけだ。YES/NOの最終的な決定は変わらないにもかかわらず、自分がコントロールできているという一点、それがあるかないかだけで『上司に正当な権利を奪われ邪魔をされている』となったりならなかったり。うーむ。人の心とはおもしろいものだなあ。まあ正直、30代も半ばを過ぎてどうして周りの苦境も顧みずに何を子供のようなこと言ってんだかって感じもあるけれど。
*1:彼女は良くても周りが死ぬ!