柿の種中毒治療日記

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凍てつく太陽

最近、続けて読んでいる葉真中顕さんの小説。今週末は『凍てつく太陽』を読了。終戦間際の北海道が舞台で、主人公は特高警察官。日本人、アイヌ朝鮮人徴用工など色々な人たちが絡み合う。そしてガダルカナル

スケールが大きな話で、話が二転三転。夢中になってあっという間に読みきった。陸軍がひた隠しにする「軍事機密」のオチには肩すかしを喰らった感はあるけれど、でもそれもまた日米の科学力の差を考えると妥当だったのだろうし、しっくりくるエンディング。

「案外、服みてえなもんかもしれねえよ、国だの民族だのってのは」という言葉が心に残った。

 

昭和二十年、終戦間際の北海道を監視する特高警察、通称「北の特高」――。
彼らの前に現れた連続毒殺犯「スルク」とは何者か。陸軍がひた隠しにする「軍事機密」とは。
そして、真の「国賊」は誰なのか? かつてない「特高」警察小説!

逼迫した戦況を一変させるという陸軍の軍事機密「カンナカムイ」をめぐり、
軍需工場の関係者が次々と毒殺される。アイヌ出身の特高刑事・日崎八尋は捜査に加わるが、「拷問王」の異名を持つ先輩刑事の三影に濡れ衣を着せられ、網走刑務所に投獄されてしまう。八尋は特高刑事としての「己の使命」を全うするために、脱獄を決意するのだが――。民族とは何か、国家とは何か、人間とは何か。魂に突き刺さる、骨太のエンターテイメント!

 

凍てつく太陽 (幻冬舎文庫)

凍てつく太陽 (幻冬舎文庫)