柿の種中毒治療日記

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部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書


これまたKindleの角川本セールにて*1。深圳に向かう電車の中で読了。結構短いので、すぐに読める。とても平易な書き方だけれども、学ぶことの多い本。会社でコーチングのトレーニングも何度も受けたし、部下を持つようになってずいぶん経つけれど、なるほどなと思うことばかりである。

この本は、セオリーに留まらず、色々具体的な事例があるのでとても参考になるのだけれど、そこの部分は買った人が読めるということでセオリーの部分で今自分が興味ある部分を抜粋。何度も読めば、その時々に違った気付きもあろう。

  • いくら能力の高い上司でも、「4人以上」の仕事をこと細かく管理するのは、むずかしい
  • 部下に権限を与えて、仕事を任せるしかない。「仕事のプロセスには細かく首を突っ込まない」ようにすれば、10-15人の部下を管理することも可能になる
  • ひとたび権限を委譲したら、その権限は「部下の固有のもの」であり、上司といえども口を挟むことはできない
  • 「任せる」とは「権限の範囲を明確にしたうえで、的確な指示を与えること」
  • ルールを明確にしておけば、任された側も迷わずに業務を進めることができる
  • 上司こそ、部下に対して積極的に『ほうれんそう』をする
  • 的確な指示を出すための4条件は『期限』・『優先順位』・ 『目的・背景』・『レベル』を示す
  • 権限と責任は表と裏の関係。大きな権限を与えておきながら責任を求めないとしたら、権限が乱用される。責任ばかり押し付けて権限を与えなければ、部下の意欲は下がる一方
  • 部下を育てる基本は責任を持たせること
  • 与えた権限の中で、部下にめいっぱい考えさせる
  • 部下の責任は上司の責任
  • 部下が誰ひとり、退屈しないように、部下に仕事の楽しさを感じてもらうように、仕事をバランスよく与えて行くのが上司の仕事
  • マネージャーは、60点で我慢する度量を持つ
  • 長所を伸ばすことと短所を直すことはトレードオフ。部下の尖った部分は削るのではなく、そのまま残す
  • 「上手に任せられる人」になるにはハウツーを知ること以上に「人間と社会に対する洞察力を高める」ことが重要
  • インプットの量を増やすには「人から学ぶ」「本から学ぶ」「旅から学ぶ」、この三つのみ。
  • 1冊の古典はビジネス書10冊に勝る
  • 歴史や小説も学びになる。歴史や小説には、ずる賢い人、冷徹な人、騙され易い人など、様々な登場人物が描かれている
  • 統率力とは「丁寧なコミュニケーション」のこと。周囲の環境変化や各メンバーの置かれている状況を観察した上で、メンバーに声をかける力が真の統率力
  • どんな部下でも、信頼する。どんな部下でも、使う


最後に自戒を込めて。特に1年半前からマネージャーを部下に持つ立場になったこともあり、個人的にもまだまだ修行が必要だし、これを部下のマネージャーたちがさらにその部下たちにやってくれるように率先垂範していかなきゃな。

【自分で抱えてしまう人の3つの特徴】
1.「人間の能力や使える時間は有限である」ことがわかっていない
2. 部下の仕事が 60点では納得できない
3. 判断のスピードが遅い; 部下を信頼していない上司は、「部下に任せる」という選択肢が後回しになります。「自分でやったほうがいい仕事ができる」と考え、いったんは自分で抱えるのですが、そのうち「自分でやろうと思ったけれど、時間が足りなくて、できない」と焦りだす。一方、仕事ができる上司は「球離れ」がいい。

*1:これが420円とか、コストパフォーマンス高すぎ