柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul→Yokohama

Quality

銀行にて毎月恒例の給与送金。今日担当してくれたのは先月と同じ男性。前回と同じく仕事が早い早い。仕事のトロい他の行員との差が感動的ですらある。感極まってというわけではないけれど、礼を言うに留まらず名前と来月の休暇予定を教えてもらった。次回から指名しようっと。
しかしさ、このオペレーションの質のばらつきは一体なんなのだろうね。銀行でさえそうなのだから他は推して知るべし。Globeのプリペイド携帯料金の減り方も怪しいし、Globeが送りつけてくるテキストを止める処理をしてるにもかかわらず、何もしないでも3−4週間後には再び山のように送りつけてきやがる。よくSMSに勝手にロックをかけてテキストが送れなくなったりもするし、その都度Globeカスタマーセンターに電話するのはとても面倒だ。
うちの会社の給与支払業務も某国にある欧米系企業にアウトソースしてるのだけれど、そこの担当者からなんと半年間給与を多く振り込み過ぎたから50万円返せと言って来た。心当たりがなかったから証拠を出せと言ったのだけど今度はそれから1ヶ月何も返事がない。どうなってるんだ?気付かなかったぼくもぼくであるが、そんなの日本の会社ではありえないよね。同じ位のサイズの日本の会社だったら『給与課』課長以下専任のチームによる度重なるチェックが入ってミスゼロが当たり前だと元同僚のKが言っていた。それに対してこっちはミス1%程度ならExcellent Executionなのだから『グローバルスタンダード』とは面白いものよ。1%、つまり1万人いる会社の場合月々100人給与振込額がおかしいことがありえる、とかちょっと日本人の感覚ならありえないよね。もちろんそこも1%の差を埋める追加のコストとそれによって減らせるリスクや問題のサイズが見合うかどうかの話だよね、となるわけだけどさ。この感覚差を理解できなきゃなかなかね。
この日本の会社のミスの少なさを、かける労力の違いという点から日本の会社の生産性の低さに無理矢理結びつけて議論する事も不可能ではないのだろうけど、それってやっぱりおかしいよな。この日本企業のオペレーションのクオリティの高さは社会全体の生産性の高さを確実に上げてると個人的には思う。こちらでもテレビやブロードバンドの料金のクレジットカード払いや口座引き落としができないわけではないのだけれど、こんなクオリティではとても信用ができないしいざ何か起きた時のトラブルが目に浮かぶから、結局めんどくさくてもほとんど現金決済なんだよね。もちろん日本企業ももうちょっとバランスとって繁文縟礼を避け、シンプルにやっても良いのではと思うところはあれど、もしどっちかにしか転ばないのなら。。。やっぱりクオリティかな。
過度なクオリティへの傾斜が日本の企業のグローバル化を妨げているという面もありながら、結局そのクオリティこそが世界に対してonly oneであれる領域なのかもしれないね。蛇足ながら、不況の中間接部門に手を付ける事は簡単だけれども、クオリティの高い間接部門の現場を疎かにしてはいけないんじゃないかなとも思った次第。