柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul→Yokohama

最終出社日

最終出社日。といっても、ぼくの最終出社日ではない。部下の一人のJ君が、入社3年半にして転職していくのである。最終日の今日、1-1で30分ばかり話をした後、お昼を食べに行って色々な話をした。

彼の最初の上司は外国人のぼくだった。はじめはとても吃驚したらしい。ぼくにとっても初めて持った中国人の部下の一人である。ぼくもそれまでにも複数の部下を持って来たけれども、実ははじめて担当した新入社員でもあった。1年後、彼はぼくのチームから離れ、そのまた一年後に今度はぼくが新しいアサインメントに移って、再び彼の上司となったのだ。

この3年半、彼に対して色々コーチして来たつもりだった。でも、ふと振り返ってみると、実はいろいろ学ばせてもらったのはぼくのほうだったという気がしてくる。最初の一年はかなり手を焼いたのだけれども、後の一年半はいつも助けられた。実際のところ、多くの部下の中でも信頼の置けるうちのひとりとなった。彼はぼくのコーチングのおかげだと行ってくれたけれども、スロースターターながら実力は最初からしっかりあったという話なのかもしれない。男子三日会わざれば、刮目してみよともいうしね。もしくは、そもそもスロースターターだと思ったのはぼくの上司としての能力の問題だったのかもしれない。

食事をしながら、色々な話をした。中国では日本以上に親が子のレールを敷き、期待をかけるということが多いらしい。転職の決断はこれまでの人生で3度目の大きな決断で、親も気に入っている会社を離れることを親が悲しむという。これからのアドバイスをくれ、と言われて"Live your own life"と言う言葉を選んだ。言いながら、実は自分自身に対しても言っていることに気付く。

今後も機会を作って食事でもしようという話になった。なにより、世界は狭い。ちょうど今週、2年前に上海のプライベート・エクイティに転職していった別の男性に道ばたでばったり会ったばかりだ。これは別に何かの終わりではなく、始まりなのだ。新しいチャレンジに向かって行く彼に、幸あれかしと思う。